今から8年くらい前の話。
某ファッション誌で
「今年はダウン素材のベストで決めよう!」
というコピーにビビッと来た私は、
ダウンのベスト(確かプラダの商品だったと思う)
で気合を入れデートに臨んだのだけど、
開口一番、女に
「釣り人?」
と言われた――。
初めての人もそうでない人も、改めまして、
水野敬也です。
「ウケる技術」という本を知らない人のために少し補足しますと、
この本は、笑いのパターンを38個に解析・分類した本です。
私は、例えば「笑い」のように、
今まで個人のセンスだとされてきた分野
のノウハウやパターンを解明して、
誰でも共有可能な知識にすることをライフワークにしています。
その意味では「笑い」と「ファッション」に強い共通性を感じています。
と・こ・ろ・で。
みなさんは、何のために、服を購入しますか?
きっとほとんどの人が
自分が好きなもの
を買っていると思います。
確かに、トモダチと一緒に行ったり、彼女や彼氏とショッピングに行って意見を求めることもあるでしょう。しかし、最終的には、
なんとなく、好きなもの
これを選んでいると思います。
しかし、私は、ここに大きな落とし穴が存在すると考えています。
というのも、
みなさんは、何を目的として、服を購入しますか?
自分の好きなもので、着飾りたい。そういう欲求もあるでしょう。
だけど。
もし、
あなたの、
そのセンスで選んだファッションが、
ダサい
と思われていたのだとしたら、
あなたはその状況に耐えられるのだろうか?
もっと言うと、それが恐いから、
例えば、あなたのトモダチの好みとあなたのファッションは同化し、
所属するコミュニティのファッションは均一化していく。
これが真実だと思う。
でも、ぶっちゃけた話、
私は人からカッコイイと思われたいし、
合コンでは女の子からセンスや雰囲気の好い人だと思われたいし、
初対面の人から「この人センス良いな。仲良くなりたいな」と思われたい。
みんなからカッコイイと思われる服を着てセルフイメージを高めたい。
もっとストレートに言えば、
モテたい
それだけです。(女にも、男にも、ですわ)
それは、きっと私だけではなくて
みなさんもある程度は考えていることだと思います。
つまり、
みなさんは「自分の好きなモノ」を選んでいるのも関わらず、目的としては、
「カッコイイと思われたい」と考えていませんか?
それが、私が先ほど言った落とし穴です。
「カッコイイと思われたい」のであれば、
「自分の好みやセンス」というつかみどころのないものを頼りにすべきではありません。
より大多数の人が、何を「カッコイイ」と思うか、その確固たるパターンに沿って服を選ぶべきなのです。
ただ、
「ファッションを勉強する」ことを、恥ずかしがる人は多いと思う。
学ぶ、ということは、「センスが無い」ということを認めることだと思ってしまうから。
プライドが「学ぶ」ことをゆるさないんですね。
だから、このメールマガジン
「オシャる技術」
でこっそりと、勉強していきましょう。
…しかし、
みなさんには、ある疑問が生まれていると思います。
それは、疑問、というより、根本的な問題です。
それは…
水野にファッションを語る資格があるのか?
という点ではないでしょうか。
それに関してはこうお答えしておきます。
ありません。
冒頭の「釣り人?」の例でもお伝えしたように、
私、ファッションセンスがありません。
ここ、重要なので、繰り返します。
水野敬也には、
ファッションセンスがありません。
生まれてこの方、「面白いね」「優しいね」と言われたことはあっても、
「オシャレだね」「カッコイイね」と言われたことは、皆無なのです。
何をトチ狂ってメールマガジンを発行しとるんだ、お前は、です。
それでも、私はファッションにすごく興味があります。
ファッションについて色々調べたり研究して、最終的には、
今までファッション誌が提唱していた理屈とは別の
「人にオシャレだと思わせる」パターンを発見したいのです。
そこで、
私は考えました。
どうすれば、私がファッションのノウハウをみなさんにお伝えしていく立場になれるのか。
どうすれば、私が必然的にオシャレな人に生まれ変わることができるのか。
そのことだけを死ぬ気で考えました。
思えば、私は今まで幾度となく「オシャレになろう」と決心して、新しい服を購入しては、挫折してきました。なぜ、私が今までオシャレになれなかったのか、その理由を今回は真剣に考えてみたのです。すると、ある一つの仮説が導かれました。
それは、
「新しい服を買うとき、自分の持っている服ありきで考えている。」
これでした。
例えば、新しい帽子を買うにしても、自分の持っているジャケットと合わせることを考える。自分の持っているパンツと合わせることを考える。しかし、そのジャケットやパンツは、ダサイのです。
自分のダサイセンスから選ばれたアイテムに、新しいアイテムを買い足したところで、全体としてのダサさは変わりがない。むしろ新しいアイテムが全体の中で浮いたりしてしまう。こうして、センスのない人というのは、ダサいサイクル、言うなれば、ダサイクルから抜け出せなくなっているのです。
また、付け加えるならば、人は往々にして自分の好みの服を買い続けます。例えば、黒やグレーが好きな人のクローゼットを開けるとそこには黒やグレーがずらりと並んでしまっています。そして、そのような人は、これからも黒とグレーを買い続けるでしょう。これも一つのダサイクルです。
それでは、
このダサイクルを抜け出すにはどうすればいいか?
それは…
全裸です。
いったん全ての服を捨て、そして、ゼロから、謙虚な気持ちでセンスの良い人のアドバイスやスタイリストを職業としている人の意見を取り入れながら、丁寧にアイテムを手に入れてオシャレになっていこう。そのプロセスで、ノウハウと呼べるものを見つけることができたのだとしたら、みなさんにお伝えしていけばいい、そう考えたのです。
…水野は、生まれ変わります。
今、持っている服を全部捨て去って、
それは、靴下から、パンツ、身に着けるもの全部、捨て去って、
文字通り
「今までの自分を脱ぎ捨て」
新しい自分を手に入れることを決意しました。
水野敬也 Re-Born
水野は、あらためてスタイリストたちやその筋の人たちのノウハウをかき集め、実践し、
真のファッション・リーダーを目指します。
そして・・・
私が盲目的に信仰し、痛い目を見てきたあの某ファッション誌ではない真のノウハウを作り出すべく、水野敬也改め、
ミズノンノ
を名乗らせていただきます。
ミズノンノ(イメージ図)
「何を身に着ければ良いか」に始まって、髪型や表情、仕草、姿勢など、
「カッコ良く見せるため」という点を徹底的に研究し、突き詰めていく所存にございます。
服を捨て、街に出よ!です。
・・・しかし、みなさんにはこんな疑問が生まれるかもしれません。
「水野は、本当に全部の服を脱ぎ捨てているのか?ヤラセなのではないか?」
おっしゃる通りだと思います。
そこで、次回、ミズノンノは今まで持っていた服を
全部燃やす
という、生まれ変わるための旅に出ます。
今までのアイテムの延長上にオシャレはない。
(捨てなくてもいいけど)
ゼロからはじめるつもりでカードを握りしめ、街へ出ろ!